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Selfishly

Selfishly

8月


~ 8月 夏の暑さにやられて ~  H17.11/6 19:00

「兄さん、兄さんってば!
 もう、いいかげんにしなよ。」
前に座っているアルフォンスが
先程から、なかなか本から目を離さないエドワードに
あきらめ混じり、心配混じりに話しかけている。
かけられている当の本人はと言うと、
わかってる、だの もう少しだからと
ページをめくる手を休めようともしないまま
返事だけは返してくる。
返事を返すだけ ましなのかどうなのか・・・。と
「ほぉー」とアルフォンスはため息を着きながら考えた。


上に「天才」の文字を付けて呼ばれる この錬金術師は
自分が気がひかれた事柄を思考している時や、
いったん集中しだしたら、呼んだり叫んだりした位では
周囲に一向に気がつかない。
アルフォンスにしてみたら、『すごい』と尊敬する反面、
『もうちょっと気を配って欲しいんだけどな・・・』と
常日頃、思っていたりする。

普段なら、兄が集中してやりたい事がある時に
邪魔をするようなアルフォンスではないが、
今回は兄を心配する気持ちが、列車に乗ってから繰り返されている
先ほどの問答を言わせているのだ。

今回、大佐からもらった情報で訪ねた家は
老夫婦が ひっそりと暮らしていた家だったが
数年前に 夫が先立ち、現在は老妻一人が住んでいる。
夫は 国家錬金術師にこそなってはいなかったが、
優秀な錬金術師であった。
世間一般からは引きこもり、研究を続けていたので、
巷で名前が知られているわけではなかったが、
ある程度の錬金術師なら 師事を仰いだことのある者も
1人や二人ではなかった。
が、頑として自分の研究内容を明かすことも
人を教えることもなかったまま旅立った。
その後、家に残されているだろう研究資料に目をつけた輩が
何度となく家を訪問して、老妻に見せてもらえるように
頼んだが、夫の研究していた事さえ よく解らなかった妻では
話にならず、業を煮やして研究室におし込んで調べても
資料は たった1枚も見つからなかった。
そうして、そのうち時が過ぎて皆の記憶からも消えていった。

この話を聞いた時には、エドワード達も『今更 なんで俺達に?』と
大佐が話してくていた情報に首を傾げて聞いていたが、
最後に大佐が言った一言に、今回の行き先を決めたのだった。
「この夫が世間から引きこもり研究を続けるようになったのは、
若い頃二人の子供を事故で亡くして以来でね。
それまでは、優秀ではあるが 市井の錬金術師と変わらず暮らしていたんだが。」と チラリとエドワードに『どうする?』と聞くような目を向けて
話を終わった。
胸の奥で、何かが軋りを上げて痛んだが
エドワードは『行く』と答えた。
返事を聞いたロイは「そうか。」と言っただけだが、
その表情は一瞬、痛ましさを込めてエドワードを見た。
・・・本人には気づかれないようにだが。

例え断られても、絶対に資料の手がかりを見つけくるぞ!の
勢いで扉を叩いたエドワード達だが
中から出てきた老妻は、エドワード達の訪問と別に
エドワードに驚いたような顔をして、しばらく見つめていたが
その後 あっさりと研究室に招いて資料を全て渡してくれた。

資料は研究室に 初めから存在していた。
ただ 誰も気がつかなかったのだ。
ただの ごく平凡な家族のアルバムが、
特定の人物が触れる事で練成反応が起こり
そこに隠された研究資料に変わっていく。
変わり行くページの中で、古ぼけた写真が消え 
次々と文字を浮かべていく。
その写真の中には、幸せそうに微笑んでいる夫婦と
金髪で元気そうな子供の姿が映されていた。
老妻は 消えていくその写真たちを懐かしそうに眺めていたが、
最後の練成が終わり姿を消すと、エドワードに
「これはもう、私が持っていても仕方がないものです。
あなたが ここに来たのもきっと何かの縁だったのでしょう。
よければお持ちなさい。
ただ、あなたは これの使い方を誤らないでくださいね。」と
さびしげに言葉をかけた。

丁寧に礼を言って帰路に着く二人を、
老妻は いつまでも見つめていた。
二人が見えなくなると 静かにその扉を閉めた。
そして、その扉が開いて人を迎えることは
きっと二度とないのだろう。

道を戻る二人の心は、今日の出来事に沈み込んだ気分で
とぼとぼと歩いていた。
ふと、アルフォンスが兄に
「・・・ねぇ 兄さん。 
 あの奥さんの子供さんって、兄さんに似ていたね。」
「・・・そうかな。」
「うん。」
その後 どちらも話すことなく宿へと
膨大な資料の重さ以上に重い想いを抱えたまま歩き続けた。

その後宿に戻った二人は、もらって帰った資料を読むのに
時間を費やした。
寝食を必要としないアルフォンスとは違い
エドワードは生身だ。
寝る時間も 食べる時間も削って研究資料に没頭するエドワードに
何とか 休ませようとするのだが、
最低限の時間で全てを済ませると、また研究資料を漁るのを
止めない彼に、アルフォンスの心配は積み重なっていく。

『特に今の時期、兄さんの体調もあんまり良くない時期なのに。』
うだるような暑さが続く今の時期、
半身が機械鎧のエドワードは体温の調整が崩れやすい。
いくら、熱伝導を押さえた素材を使って作られているとはいえ、
やはり鋼で出来ている物を生身に接触させているのだから、
微量とはいえ熱を持つ機械が、本体に影響を与えないはずがない。
動くのに不自由な程ではないが、体力の消耗が激しくなるのは
いなめない。
そんな時季の、この無茶は エドワードの身体を酷使しているだろうに
頑固な兄は それを認めようとしないまま暴挙を続けている。

ほとほと困り果てていたときに、ちょうど良い事に
軍より連絡がやってきた。
行ったっきり、連絡を一切送って来ないエドワードに業を煮やした
ロイが、
『私が紹介した話なのだから、経過報告位あって
しかるべきだろう?
前回も話したが、業務報告の重要性を忘れてもらっては困るな。』と
嫌味交じりに続く話に、ギャーギャーと怒鳴り返すエドワードから
受話器を取り上げ、
「大佐、申し訳ありませんでした。
 明日の列車で一旦 そちらに帰りますので。」と
アルフォンスが これ幸いと返事をした。
「アル! 何言ってんだよ。
 まだ、資料も読みかけなんだから、
 場所を移動するような時間はないぜ!。」
アルフォンスの勝手な返答に驚いたエドワードが
下のほうから抗議をする。
「兄さんは 黙ってて。
 仕事は言われたとうりに きちんとするのが大人だよ。
 ねぇ、そうですよね大佐?」
『・・・、また 鋼のが無理をしているのかね?』と
アルフォンスの伝えたいことを正確に理解して、ロイが返事を返す。
「そうなんです。 言っても聞かなくて・・・。
 この地域、暑さもひどいですから。」
『わかった。 すまないがアルフォンス君、
 鋼に代わってもらえるかな?』
「はい、宜しくお願いします。」と受話器を
不貞腐れているエドワードに渡す。
「はい、兄さん。 大佐が代わるようにって。」
差し出された受話器を取るのに 嫌な勘が働いたが
いつまでも 受け取らないわけにも行かないので
しぶしぶと受話器を耳にした。
「なんだよ。」
『鋼の。 明日にでも列車に乗って1度こちらに戻るように』
「・・・!」
『ああ これは、上官命令だからね。』とエドワードが
反論する前に矢継ぎ早に伝えてくる。
『それと、列車に乗る前には 必ず連絡を再度入れるように。
 これも、上官命令だから忘れないように。』
と念押しして電話を切られた。

「あのクソ大佐~! 勝手に決めるなー!!」
ガチャンと 宿の亭主に聞こえていたら、
注意の一言も言われそうな音を立てて受話器を置くエドワード。
そんなエドワードを見ながら、アルフォンスは
『大佐、ありがとうございます。』と
心の中でお礼をつぶやいていた。

電話を切った後、ロイはしばし思いに浸っていた。
自分で提供した情報ながら、今回のエドワード達を
心配していた彼であった。
出来れば あの子供の過去に繋がりそうな情報は
伝えたくなかったのだが、
彼らが 進む道には そんな情報が一番役に立つ事も
解っていた。

あの賢い子供は、多分 情報を話した時に
全てを察した事だろう。
まだ、過去になるほど遠くない記憶と同じ事が
行われようとしていた事を。
そんな事を考えながら、暗い想いに浸っていった。

イーストシティーに向かう列車の中でも
片時も資料を手離そうとしないエドワードに
『はやく着かないかな。』とイライラした気持ちを
持て余しながら、無駄とは思いながらも
声をかけるのをやめられないアルフォンス。
『イーストシティーに着けば、大佐が何とかしてくれるはずだ。』
以前、兄をしかってくれた大佐に
それ以来、信頼を深くしたアルフォンスは
兄に何かあると大佐に無意識に頼る気持ちになる事が多くなった。
大都市になると この暑さをしのぐ為の空調設備も
備えている所も多いが、
今回行った田舎では、空調設備のような物は
まだまだ普及されていないのが当たり前だ。
列車の中の乗客を見回しても、
少しでも涼もうと、窓を全開にして風を入れ、
露出度の高い、薄手の生地で作った服を着ている。
そして、めいめい手に持ったタオルやら、団扇を持ち
忙しそうに手を動かしている。

兄はと言えば、手と足の機械鎧を人目にさらさない為に
長袖、長ズボン、ご丁寧に手袋までしている。
暑さで参らないと言う方がおかしいのだ。
夜も体温の調整が上手くいかないせいか、
眠りが浅く、何度も寝返りを打っているし、
食事もなかなか進まない。
その中で、さらに寝食を忘れての生活は
エドワードの顔に色濃い隈を作り、
あきらかに 行く前より痩せさせている。
そんな兄を見つめながら、本人には気づかれないように
深くため息をつくアルフォンスであった。

「やっと着いた~!」
う~んとばかりに両手を上げて背伸びをする。
『あれっ・・・?』
なんだか、視界が暗い気が・・・。
「どうしたの兄さん?」
兄の動きが不自然に止まったのに気がついたアルフォンスが
声をかけた。
「・・・、いや 何でもない・・・。」
体中に冷や汗が浮かんでくる。
身体も砂を詰め込んだように重く感じる。
なんだか変だな、俺。
今回は ちょっと無理しすぎたかな・・・。
宿に着いたら、少し休むか。
よし、もう少しとばかり気を入れてアルフォンスに
声をかけて歩こうとした時に、
「鋼の。」とよく聞く声が彼を呼んだ。
ふらつきながらも 振り返ってみると、
予想した人物が 笑顔を浮かべながら近づいてくる。
「よぉ、大佐。」
「あっ、大佐。お久しぶりです。」
兄とは違って 言葉も態度も礼儀正しく挨拶をする。
「アルフォンス君も お帰り。
 鋼のは 相変わらず礼儀と言うものを学んでないようだな。」
あきれたと言いたげな、いつもの表情を浮かべる大佐に、
『ほっとけ!』と怒鳴り返そうとしたのだが、

何だか、上手く話せないや・・・。
それに、聞こえにくい。
少しづつ、暗くなる視界の中
大佐やアルフォンスが 自分を呼びかけている声が
遠く聞こえてくる。
『兄さん!』
『鋼の!』
薄れて行く視界と記憶の中で最後に見たのは、
いつも見慣れている余裕のある表情ではなくて、
必死になって自分を見ている大佐の顔だった。
『へぇ~、大佐 こんな表情もするんだ・・・。』
大佐が そんな表情で自分を見ている事に
何だか くすぐったい気持ちになりながら、
薄れて行く意識に身体を手離した。

白い清潔な部屋が快適な温度に保たれている。
そんな中で、昏々と眠るエドワードの横で
二人は ぼそぼそと、寝てる人物を起こさないように
話をしていた。
「大佐、本当にすみません。
 こんな良い病室も用意してもらえるように
 手配してくださって。」
小さく頭を下げて感謝する。
「いや、たいした事ではないよ。
 鋼も佐官なのだから、これ位は用意されて
 しかるべきなんだから。
 しかし、鋼のは 旅に出ると いつもこうなのかね?」
あきらかに、痩せて無理がたたってる姿を見たロイが
アルフォンスに聞いてみる。
「いえ、いつもは ここまでは・・・。
 多分 今回は、兄さんも想う所があったみたいで・・・。」
「そうか・・・。
今回の情報は、君達にも辛い思いをさせてしまったようだな。」
「いえ! そんな事はないです。
 確かに 辛くないかと言えば嘘ですが、
 教えて下さった情報のおかげで手に入った資料は
 本当に役に立つ事ばかりだったんです。
 だから、大佐には 本当に感謝の気持ちです。
ただ・・、
あの時 何も覚えてなかった僕より
多分、記憶に残している兄さんのほうが
想う所が強かったんだと想います。
だから今回は・・・。」と
今は やすらかに眠る兄を見る弟からは
兄の心配をし続けていた姿が伺えた。
代わってやる事も、分けてやる事も出来ない痛みで、
兄が辛い思いをしている事を見守るしかなかった彼も
きっと、辛かったのだろう・・・。
アルフォンスを見つめながら、
この二人の絆の深さを思い知るような気持ちに
させられ、何故だか 鬱屈とした気持ちになる。

コンコン。
控えめにノックがされる。
「はい。」とアルフォンスが返事を返すと。
扉を開けて この病院のスタッフが入ってきた。
「エドワード・エルリックさんのご家族ですか?」
軍の病院では、鋼の錬金術師と その弟の事は
よく知られており、
鎧姿のアルフォンスの事も 特に驚く人間はいない。
「はい、僕です。」
「病院の手続きに来て頂きたいんですが
 ご同行願えますか?」と礼儀正しく話しかけてくる。
「わかりました。すぐに行きます。
大佐、すみませんが兄のこと・・・。」
「あぁ、大丈夫だ。ここで待っているから
 行っておいで。」
忙しいのにスミマセンと再度頭を下げてアルフォンスが
出て行くと、眠り続けるエドワードと二人っきりになった。

『この子供の行く道は、どこまでも茨の道が
 続いているのだろか。』
強い彼の事、どんな道でもひるまずに進もうとするだろうが、
出来ることなら、自分が守ってやれる事からは
傷つかずに済むようにしてやりたい。
今は 安らかに眠る表情からは苦しんでいる事は見受けられない。
また、食事に連れ出して栄養をつけさせないとと
考えていると、わずかに目蓋が動いて意識が戻り始めているのが
わかった。
唇が動いて言葉を紡ごうとしているのを聞き取ろうと
ロイは 少し屈んで、耳を彼の口に近づけた。
「・・・アル?」
ぼんやりと薄く目を開けたエドワードは、
人影に無意識に弟の名前を呼んだ。
意識がはっきりとしだすと、やたら近い距離で
何だか 複雑な表情をしている大佐の顔が目に入ったのに
驚いた。
「大佐・・・?」
腰掛けていた椅子に元の姿勢で座りなおした大佐は
さっきの変な表情も一瞬に消えて、
今度は 心配そうな顔を向けてくる。
『大佐って、以外に色んな顔するんだよなー。
 司令部では、あんまり見ないんだけど、
 他のやつらがいない時は、結構 色んな表情を
 見せるしな・・・。』 
それに最近気づいて、何だか 嬉しい気持ちになる事に
エドワード自身気づいていた。

「体調はどうかね?鋼の。
 どこか痛い所や 苦しいところは?」
身体に響かないようにか、低めの声で優しく話しかけてくる大佐に
妙に くすぐったい気分で答えた。
「いや、大丈夫。
なんか、迷惑かけたようでゴメン。
で、なんで大佐がここにいるんだ?
アルは?」
ただたんに疑問を口にしたエドワードの問いに
少しばかりの気落ちとともに答える。
「アルフォンス君は、病院の手続きをしに出ているよ。
私は その間、君の見張りに頼まれただけだ。」
苦笑とともに そう話してやると、
納得したようにうなずいて、
「別に、逃げたりしないけど。」
とつぶやきながら、安心したせいか
また うっとりと眠りに引き込まれていく。
「鋼の? 眠るのかい。
 ゆっくりと眠るんだよ。」
額にロイの手の平を感じながら
エドワードは、ゆっくりと眠りの中に誘われていく。
そんな中で、そう言えば 倒れる時にも考えてたっけ。
「俺、結構 大佐の色んな表情みれるのが好きだな。」と
自分の考えを思い浮かべてみる。
大佐には言わないけど・・・。

また、眠りについたエドワードの横で
呆然とするロイ。
『俺、結構 大佐の色んな表情みれるのが好きだな』
眠りながら うっすらと微笑を浮かべてさえいる表情で
うっとりとつぶやかれた言葉。
多分、つぶやいている本人は自分が言っている事も
気づいていないだろうが・・・。
「全く、君にはかなわないよ。」
苦笑しながら、今は眠りの住人となったエドワードを見る。
やつれていても、少しも輝きも美しさもそこなわない、
逆に 元気一杯の普段からは想像のつかない
はかなげな風情が、彼を守るべき存在として
強くロイの目に映ってくる。
彼は、本当に人を惹きつけるものがある。
自然と眠るエドワードに顔を近づけていく。
そして、重なるように口付けをしようとした瞬間。

コンコン。
「大佐、スミマセンでした。」とお礼を言いながら
アルフォンスが戻ってきた。
はっと体勢を立て直し、勢い余って立ち上がったロイは
今の自分の行動に、軽くパニックを起こしていた。
『わ、わたしは何を!』
「あのぉ~、大佐?
 どうかしたんですか?」
返事を返さずに立ちすくむ大佐の姿を見て、アルフォンスは
また、声をかけてみた。
「ア、アルフォンス君か。
 もう手続きは終わったのかね?」
あたふたと返事を返してきた大佐に、
「はい、お待たせしてしまってすみませんでした。
 大佐、どうかされたんですか?
 顔が紅いようなんですが、もしかしたら
 体調が悪いんじゃ・・・。」
「えっ! い・いや 別にどこも悪くないよ。
 この部屋の暑さに 少しやられただけだから。」
と時間がきたのでと 足早に去っていく大佐を見送り、
『でも、この病室 空調設備が万全だって聞いたんだけど。』と
首を傾げて大佐を心配するアルフォンスであった。

そんな騒動も知らずに、そして 大佐の奇妙な行動にも気づかず、
眠り姫は 快適な温度の中で、すやすやと惰眠をむさぼっていた。



あとがき

おしい~!!
もう少しで 初チュウだったのにー!!
大佐、行動に出る前に 自分の思いにきちんと気づいて下さい。
手が早い(今回は 口だけど)のは
感心しませんよ~。(*^.^*)





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